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by jpc-cs
【第5回】2005年7月6日(水)
【親子のコミュニケーションって難しいもの?】

2年ほど前の話ですが…。

ある男子生徒(Aくんと呼びますね)の母親に電話をかけました。

「お母さん、最近Aくんと会話できていますか?」

大きなお世話かもしれませんが、実はこのご家庭、父親は単身赴任で家にいなく、Aくんはと言えば、自分の事は自分で解決しようとするタイプの子(しかもちょっとやんちゃっぽくて、クールな子)で、母親と会話する事を煙たがっているようでした。それを知っている母親もまた、自分から会話しようとしていなかったのです。

それからしばらく経った頃、Aくんと進路の事について話しました。それまでの志望校は「関東方面の有名な大学」と曖昧でしたので、3年生にもなったことですし、もっと明確にさせようと思っていました。
ところが、

「実は、美容師の専門学校に行きたいんです・・・。」

かなり本気でした。自分で十何校ものパンフレットを取り寄せ、近々学校見学にも行こうと考えている、とのことでした。

さらに詳しく話を聞いていくと、
・実は、以前からの夢だったので自分で学費を出してでも行きたい。
・人付き合いが苦手なので、コミュニケーションが大事な職につきたい。
・人に喜ばれる仕事がしたい。
・親に負担をかけたくないので、特待生入試(入学金や授業料の一部免除)のある学校を受ける。
・志望が専門学校だからといって勉強をおろそかにするつもりはない。
・でも、まだきちんと親に話していない。

志望理由としては十分でした。ただ単に「夢だった」というだけでなく、「自分を成長させる為に、人の為に」なんですから。私は、受験はその目標が大学だろうが専門学校だろうが、関係ないと思っています。受験という一つのきっかけを通していろんな事を学んでほしいのです。その目標を目指すことで得られるものは大きく、今後の人生において必ず財産となるはずですから。

ただ、親に話していないという部分で賛成はしませんでした。私は「これは会話をするいいきっかけになる!」と考え、母親に相談するよう促しましたが、Aくんは専門学校だから反対されそうだと思っているようでした。そこそこの進学校で、専門学校を志望する生徒がほとんどいないということが引っ掛かっているようです。だからこそ!話す必要があるんだと諭しました。パンフレットがたくさん届いている時点で母親も気付いているはずです。反対するならとっくにしているでしょう。でもそれならそれで、説得するぐらいの覚悟がないような目標なら進路を考え直せとまで言いました。

その2日後だったと思います。母親から電話がかかって来ました。

「Aが進路の事を話してくれました。あんなに真剣に話すAを見るのはひさしぶりです。勉強しなくていいから、なんていう甘い気持ちが少しでもあれば反対するつもりでした。自分の息子ながら、あそこまで大人になっているとは思いませんでした。私が、会話することから逃げていただけかもしれません。今後はしっかり応援してあげようと思います。」

それから数日後、今度はAくんから電話がかかって来ました。

「話しをしてよかったです。実を言うと、もっと早く親に話したかったんです。でも今までの僕の態度が悪かったのもありますし、話すタイミングが掴めなかったんです。でも本当に真剣に聞いてくれました。もう迷いはありません。親の為にも頑張ろうと思いました。」

そう、Aくんは母親との会話を望んでいたのです。お互いに遠慮し合っていただけなのです。

それからのAくんは、私から見ても人が変わったようでした。特待生入試を受けるので面接以外に個別試験があり、今まで以上の努力をしました。合格したことは言うまでもありません。

今、Aくんは必要な資格や試験を全てクリアし、専門学校内でもかなり上位にいるそうです。夢に向かって順調に進んでいます。そう話してくれた母親は本当に幸せそうでした。

親子のコミュニケーションがうまく取れないってご家庭、結構多いですよね。私たちが間に入ることは簡単なんですけど、所詮他人なんです。お互いの楽しい事・つらい事を分かち合う、幸せを共有し合うのはやっぱり親子が一番ですよね。

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by jpc-cs | 2005-07-06 10:04 | 親子関係
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